ベトナムから日本へ輸出する際に、物流における経済ロットについてご質問を受けることがあります。経済ロットとは、ベトナムから日本へ輸送する際にかかる輸出入の費用が一番 効率のよい物量ということになります。例えば、40フィートハイキューブコンテナと呼ばれる一番大きなコンテナに、ぬいぐるみを一つだけ入れて輸出すると、まるで空気を運んでいるのと一緒で、大きな損をしてしまいます。
40フィートハイキューブコンテナ。フィートとはftという単位。1ft = 30.48cm。
20フィートコンテナ、40フィートの半分のサイズ。高さも少し低め。
一番 費用対効果のある輸出方法は、40フィートハイキューブコンテナにできるだけ満載にして輸出する方法になります。次に効率が良いのが20フィートコンテナへの満載です。例えば、いかにコンテナに満載に積めるかを考えるため、商品に合わせてカートンサイズを調整し、下記のように積載方法の想定を行います。
できるだけ積めるように計算。
このように計算上はコンテナに満載で積むことができるのですが、稀にコンテナの天井が歪んでいて予想通りに入らなかったり、予想していたよりも商品を入れたカートンが膨らんだ等、想定通りに入らないことも多々ありますので、このあたりは経験が必要となってきます。
次に気になる輸送費ですが、日本の港に到着するまでに、大きく分けると下記の三つの費用が必要となります。
① 工場からホーチミン市の港への運送費
② 輸出通関やコンテナ船にコンテナを載せる船積み費
③ ホーチミン市から日本の港への海上運賃
①の運送費は工場の所在地(走行距離)によって変わるので一概には言えませんが、US$150~300程度となります。
②の船積み費は40ftコンテナの場合はUS$500、20ftコンテナはUS$400程度です。
③の海上運賃は時期や社会情勢によっても費用は変わるのですが、40ftコンテナでUS$600~700程度、20ftコンテナでUS$350~400程度となります。(なお、コロナ禍の時に一時的に世界的なコンテナ不足が発生し、当時は40ftコンテナの海上運賃はUS$2,500まで上がったこともありました。)
さて、仮に40ftコンテナで輸出した場合は、工場出荷から日本の港へ到着するまでの費用として、US$300 + US$500 + US$700 = US$1,500程度の諸費用が掛かることとなります。そして日本にコンテナが到着した後は、日本側で輸入通関費や取扱手数料、お客様の指定倉庫への配送料などが掛かります。
今回はコンテナでの輸送を想定して計算しましたが、もちろんコンテナに満たない物量を輸出することも頻繁にあります。その場合はまた別の計算方法となりますので、日本側で掛かる費用も含め別のブログにまとめたいと思います。
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