【検品現場レポート】検針機で思わぬ反応?資材にも要注意!

【検品現場レポート】検針機で思わぬ反応?資材にも要注意!

本日は、弊社が生産に携わらせていただいている日本向け輸出製品の、第三者検品場を訪問しました。検品対象は某ブランド向けのバッグで、納品前の最終チェック工程である「検品」と「検針」について、現地スタッフと打ち合わせを行いました。検品といえば商品の縫製不良や汚れ、仕様の確認などをチェックする工程ですが、「検針」はまた別の重要な作業です。これは、製造過程で万一混入した縫い針や金属片などの異物を取り除くための工程で、特に日本向け製品では極めて厳格に求められます。

 

また通常、バッグ製品は金属パーツが多く使用されているため、検針機に通すことが難しい場合がほとんどです。しかし今回の製品では、各パーツに検針機対応のメッキ処理が施された金具やパーツを使用しているため、製品全体を検針機に通すことが可能となっています。

 

 

シリカゲルが検針機に反応!?現場での“気付き”

今回の検針確認の中で、ひとつ興味深い発見がありました。以下の写真をご覧ください。

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こちらはバッグの個包装に使用する梱包資材一式です。左からPE袋、薄紙、取扱説明書、そして湿気対策用のシリカゲル(乾燥剤)です。一見すべて無害に見えるこれらの資材ですが、この中に、検針機で反応してしまうものがあるのです。さて、どれでしょうか?

 

答えは「シリカゲル」でした。

 

なぜバッグの輸出でシリカゲルを入れるのか?疑問に持たれる方もいるかもしれませんが、バッグは布や革などの吸湿性の高い素材を使用していることが多く、東南アジアのような高温多湿の気候では、製造後から輸送中、保管期間に至るまで、常に湿気によるカビのリスクが伴います。仮に目立った湿気がなくても、輸送中の温度差による結露などがバッグ内部に残っていると、それがカビの原因となってしまいます。

 

そこで役立つのがシリカゲルです。シリカゲルは周囲の湿気を吸着し、バッグの中を乾燥した状態に保つ働きがあります。特に日本のように「未開封でもカビが生えていた」といったクレームが品質トラブルに直結する市場においては、この小さな乾燥剤の存在が、製品クレームを未然に防ぐ大きな助けとなっています。

 

また、バッグの種類によっては表面にカビが生えるだけでなく、金具のサビや取っ手の変色といった劣化の原因にもなるため、シリカゲルを入れることで製品全体のコンディション維持にも効果があります。このように、たった一つの小さな袋が、製品の信頼性とブランド価値を守っているのです。

 

 

シリカゲルにも「反応するもの」と「反応しないもの」がある

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上の画像にあるように、左側の白色・透明のシリカゲルは検針機に反応しませんが、右側のやや灰色がかったシリカゲルは検針機が反応してしまいました。現地工場の話によると、不純物(鉄粉など)を含んだシリカゲルは検針機に引っかかる可能性があるとのこと。これは、シリカゲルの製造過程で使用された原材料や加工設備の違いに起因しているようです。

 

今回の弊社のお客様の場合、検針機を通過していない製品は店頭に並べることができないため、このような包装資材による誤反応はトラブルの元になりかねません。そこで今後は、光にかざして白く透き通ったタイプのシリカゲルを選ぶよう、現場に指導することにしました。

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このタイプのシリカゲルなら検針機対応。 

 

 

実は薄紙も注意!

今回は検針機での反応は見られませんでしたが、実は「薄紙」にも注意が必要です。特にリサイクル紙を使用した場合、紙の繊維に金属粉などが混入しているケースがあり、これが検針機に反応する可能性があります。リサイクル原料を使うことで環境配慮にはつながりますが、一方でこうした品質リスクも内在しています。環境への配慮と品質管理、このバランスを取るためには、資材調達段階からの確認が必要不可欠です。

 

現場のひと手間が、日本の信頼を守る

今回の検針機による気付きは、小さな発見ではありますが、日本市場の厳格な品質基準を考えれば見過ごせない重要なポイントでした。包装資材の選定ひとつでも、最終製品の合否を左右しかねないのが、日本向け製品の現実です。引き続き、当社では縫製工場や資材供給元との連携を強化し、こうした品質リスクを一つひとつ丁寧に確認していきたいと思います。

 

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