2023年5月31日 貿易 ベトナム国内販売の難しさ

2023年5月31日 貿易 ベトナム国内販売の難しさ

バイク保有台数が4千万台以上とも言われているベトナム。現在は他社へ譲渡したビジネスですが、弊社は以前、海外で生産されたバイクの補修用部品を輸入し、ベトナム国内で販売していました。バイクのチェーンやスプロケット、ベアリング、ブレーキパッド等の消耗部品がメインです。

 

中国やタイの工場で弊社のブランドを付けて生産してもらい、輸入した後は弊社にて在庫を保管し、ホーチミン市内のバイク修理屋さんや地方の問屋さんへ販売していました。時折、品質不良や納期遅延による在庫切れなどの問題は発生するものの、ビジネスの立ち上げから数年後には安定し、ベトナム国内では弊社のブランドネームも少しずつ知られるようになりました。

 

しかし2020年に新型コロナウイルス感染症のパンデミックが発生し、2021年には3か月間におよぶロックダウンもあってバイクに乗る機会もなくなり、バイクの補修部品市場はその後大きく低迷します。

 

ベトナム国内販売の難しさの一つに、商品代金回収のリスクがあります。ベトナムでは一般的に後払いで取引されており、更にできるだけ支払を遅らせようとする商習慣があります。納品してから数カ月後にようやく回収できたというケースも珍しくありません。弊社のお客様も同様で、バイク修理屋さんへ新たに商品を納品した時に前回納品分の支払を回収するという掛け売りでした。

 

ロックダウンが終わり、あらためて営業マンが修理屋さんを訪問したところ、ほとんどの修理屋さんが廃業または夜逃げをしており、未回収金は大きく膨らみ、弊社もバイク部品の部門は縮小せざるを得ませんでした。

 

さて、ベトナムの国内総生産は、大阪府の府内総生産とほぼ同じで規模で、日本全体の約16分の1程度になります。また、ベトナムでは年商が5億円以上ある企業は大企業と呼ばれており、個人事業も含めたスモールビジネスが大半を占めます。この状況も代金回収の難しさに繋がっているのではと思います。今後、消費市場としても期待されているベトナムではありますが、ベトナム国内販売をお考えのお客様は十分にご注意いただけましたらと思います。国内販売で不安等がございましたら、お気軽にご相談ください。

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エコプラント有限会社 

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