2月26日(月)から高井株式会社がご訪越されます。今回のミッションは、もうすぐホーチミン市に到着する『純米吟醸 巖』と『巖 十一代』のローカル店向けどぶ板営業、公的なイベントでの試飲会開催、新商品投入の検討となります。さて、海外で日本酒の販売に挑戦する場合、一般的には主に下記の流れとなります;
①市場調査とニーズの理解
その市場において、どのような種類の日本酒が求められているかを調査し、需要の傾向を理解します。また、日本酒に限らず競合他社の商品や価格帯も確認します。ベトナムの場合、ベトナム料理は日本と比べてオイリー&スパイシーであることや、ベトナム人は甘い物を好むことなどを考慮して商品を検討します。
②輸入販売業者との提携
自慢のお酒を輸入販売してくれる業者を見つけ、営業し、取り扱いを決定して頂きます。様々な交渉を経て、ようやく商品が輸入されたとしても、日本のようには商品は売れていきません。輸入業者が販売し易い環境を製造業者が積極的に整えていくことも重要です。
③マーケティングと広告
消費者に対して日本酒の魅力を伝えるための効果的なマーケティング戦略を展開します。現地の文化や嗜好に合わせた広告キャンペーンを実施することが大切です。ベトナムの場合、XよりかはYou Tube、FacebookやTik Tokの方が影響力が大きく、販売したい日本酒の雰囲気にあったインフルエンサーの活用も重要です。コスト面では、例えばインフルエンサーへの出演料は、一般的には日本と比べてお安い場合がほとんどで、広告のハードルは日本ほどは高くありません。
④試飲イベントやセミナーの開催
消費者に直接日本酒を試してもらう機会を提供するため、試飲イベントやセミナーを開催することは有益です。消費者に対して日本酒の文化や販売したい商品への理解を深めて頂く事が重要です。弊社も様々な場所で試飲イベントを行っております。ローカルの飲食店のスペースをお借りして試飲会を行うこともあります。
⑤法的な準備やライセンス
こちらは主に輸入販売業者がすでに準備されている内容にはなりますが、現地の法律や規制に従いながら、輸入や販売に必要な許認可を取得しなければなりません。また、商品に関するラベリングも必要です。ベトナムの場合、アルコール度数5.5度以上の種類を輸入や販売する場合は、酒類販売ライセンスを取得しなければなりません。
⑥オンラインプラットフォームの利用
インターネット上のショッピングプラットフォームやソーシャルメディアを活用して、オンライン販売の仕組みも構築します。合わせて、重複しますが各国の文化や習慣に敬意を払い、それに合ったマーケティング戦略を展開することが重要です。
⑦番外編 補助金の申請
国、県、市などが予算を組む補助金への申請も忘れてはいけません。例えば国税庁によって採択が決まる『日本産酒類海外展開支援事業費補助金』では、補助率は50%、1件あたり最大1,000万円上限で補助を受けることができます。海外展開する場合、どうしても多くの経費が掛かります。例えば、旅費、通訳・翻訳費、マーケティング調査費、展示会出展費、インフルエンサーの出演料、運営費、委託費等々ですが、もし採択が決まればこれらの費用は補助を受けることが出来ますので、弊社でも申請を強くお勧めしています。
これらの要素を組み合わせつつ、地道で計画的なアプローチを取ることが、ベトナムでの日本酒拡販に成功する鍵となります。
晩酌 巖 原酒。海外専用特別ラベル。原酒ならではの華やかな香りと度数の高さを妖艶なカラーで表現しています。
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