2023年9月6日 貿易 円安が与える影響

2023年9月6日 貿易 円安が与える影響

我々のような貿易業を営む企業は、為替の変動によって売上や利益、商売の確度などに影響がでます。近年では急激な円安傾向が続いており、ベトナムから日本への輸出が主な商売である弊社にとっては、あまり良い状況ではありません。

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2022年10月下旬に一度1ドル150円に到達した後、一時は133円程まで円高に戻りましたが、その後 最近ではまた147円まで円安に進行するなど、引き続き強い円安傾向にあります。ドルが強いのか、それとも円の価値が安いだけなのか、為替の動きには様々な要因が絡んでおり、為替の行く末を言い当てることはできませんが、今のところは年末にかけて円安傾向が続くと予想するアナリストは多いようです。

 

〇  円安がもたらす影響

日本の企業にとって、円安は輸出にメリットがあり、円高は輸入にメリットがあります。

 

2011年の同じく10月下旬には1ドル75円台まで円高に進行しました。これはリーマンショックによって世界的に通貨の信用が下がっている中で、日本円への信頼から円の購入が進んだからと言われています。2011年10月と2022年10月を比べると、その差は2倍にもなります。2011年10月には1ドル = 75円で購入出来ていたものが、2022年10月では150円も支払わなければ購入することができません。

 

上記の理由から、海外からの輸入を生業とされている企業にとって円安は劣位に働きます。更に加えて、日本は国土が狭いためか先進国の中でも自給率は低く、40%を下回っています。円安が進むことで、海外からの輸入に頼っている食料品を含めた輸入品目の原価が自動的に値上がりし、物価高へと繋がります。

 

一方で、日本からの輸出を生業とされている企業にとって円安は優位に働きます。日本で原価150円の商品を輸出する場合、2011年10月の時点では原価は2ドルでした。しかし2022年10月の場合は原価は1ドルになります。海外の輸入者にとっては、同じ日本製の商品でも原価が2ドルから1ドルに下がっているので購入しやすくなり、日本の輸出は進みます。

 

また、海外に現地法人のような拠点を置く日本企業も円安の恩恵を受けます。現地法人での決済は基本的にはドルまたは現地通貨がほとんどですが、決算時には最終的には円での申告となるため、為替差益を生むことができます。

 

さて、弊社の場合はベトナムから日本へ製品を輸出する商売が90%を越えています。日本側から見るとベトナムからの輸入となります。従いまして、今回の急激な円安は弊社にとっても難しい状況であります。工場と価格交渉をしたり、様々なコストについてもう一度見直したりと、できるだけお客様にご納得して輸入頂けるよう挑戦しています。

 

〇  貿易商社は輸出入両方の柱を持つべき

弊社のようにベトナムから日本への輸出に商売が偏りがちな場合、為替の変動は大きく影響します。従いまして、貿易商社は輸出入の両輪で商売を進める必要があり、ベトナムへの輸入ビジネスが少ない弊社の課題でもあります。ベトナムから日本への輸出が難しい状況でも、日本からベトナムへの輸入では円安の恩恵を受けることができます。近い将来、弊社はベトナムへの輸入とベトナム国内販売を開始したいと考えています。

 

 

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