2023年7月20日 日本酒 輸出入にかかる費用

2023年7月20日 日本酒 輸出入にかかる費用

下記の写真はホーチミン市のとあるコンビニで日本酒を購入する場合の価格です。

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円換算:紀土 純米吟醸 720ml 5,080円、七賢 絹の味 720ml 6,530円、

獺祭45純米大吟醸 720ml 6,040円、久保田萬壽 720ml 12,930円

 

この価格が安いのか高いのかはさておき、日本酒好きの自分としては、異国の地で日本酒がいただける状況に非常に感謝しています。日本人だけでなく、ベトナム人やベトナムに住む外国の方々にも日本酒が広く浸透していってほしいと望んでいます。

 

さて、今回は日本酒を日本からベトナムへ輸送する際に掛かる費用をまとめてみました。分かり易くするため、下記の条件で算出します。

 

・ 関東の蔵元さんからホーチミン市内の倉庫まで輸送する

3,000本の一升瓶を輸送する(20ftコンテナに満載)

・ 一升瓶の工場出荷価格は1,500

 

大まかには下記の費用がかかります。

 

① 蔵元さんから東京の港への国内運送費

② 東京の港で輸出に掛かる諸経費

③ 東京からホーチミン市の港への海上運賃と海上保険

④ ホーチミン市の港で輸入に掛かる諸経費

⑤ 付加価値税(VAT

⑥ 特別酒類消費税

⑦ ホーチミン市内運送費

 

①は、例えば10tトラックを使用する場合、凡そ57万円ほどになります。

 

②は、入出庫料 / ラッシング料 / 横持ち費用 / DCO / SEAL / THC / 輸出通関費などの費用がかかり、誰がどこでどこまで行なうかにもよりますが、凡そ615万円ほどになります。

 

③は、最近でしたら35,000円ほどです。輸送時の破損リスクを考えると海上保険も付保した方が良く、上記の条件の場合は15,000円ほどになります(詳しい計算方法は省略します)。

 

ここまでがホーチミン市の港に到着するまでに必要な費用となります。①+②+③で凡そ1627万円ですが、今回は20万円が必要だったと仮定します。工場出荷価格は1,500x 3,000= 450万円ですので、ここまでで 商品代金 + 輸送経費 = 470万円です。

 

④は、輸入通関費 / THC / DO / Telex Release / シール貼付費などの費用がかかり、凡そ10万円ほどになります。

 

⑤は、470万円+④10万円 に対して10%がかかります。(470万円 + 10万円) x 10% = 48万円です。

 

⑥は、アルコール度数にもよって変わりますが20度未満の場合、470万円+④10万円に対して35%がかかります。(470万円+10万円) x 35% = 168万円です。⑤と⑥に関してはジェトロさんに詳しく記載されておりますので、こちらをご参照ください(https://www.jetro.go.jp/world/asia/vn/foods/exportguide/alcohol.html)。なお、特定原産地証明書を用意し日越EPAを適用することで、輸入関税は0%となります。

 

⑦は、ホーチミン市の港から輸入業者の倉庫までの運送費で、凡そ2万円です。

 

これら①~⑦の費用と工場出荷価格を合算すると、①②③の20万円+④の10万円+⑤の48万円+⑥の168万円+⑦の2万円+工場出荷価格450万円で合計698万円となります。1本あたりにすると2,327円です。これが輸入業者への到着価格となり、ここから私たちの手元へ届くまでに、輸入業者の利益、小売店や飲食店の利益も必要です。

 

ここでは単純に概算で費用だけを計算しましたが、お酒を消費者へ届けるためには、施設登録や輸入ライセンス、個々の商品登録など様々な規制や煩雑な手続きがあります。あらためて蔵元さんと輸出入業者の方々、日本酒をベトナムでお取り扱いされている皆様に感謝し、味わって飲もうと思います。

 

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エコプラント有限会社 

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